根拠マップ
文献は日付ではなく、支える主張で読む
新しさだけでは根拠の強さは決まりません。どの主張を、どの範囲で、どこまで支えるのかに分けて整理します。
このページの読み方
このページは、文献をただ多く並べるためのページではありません。大きな分類から入り、代表エビデンス、旧 Research Harvest の回収、研究順序への変換、最後に一般的な読み方へ進みます。Research Harvest は、削除前のサイトで U0-U15 の未解決問題へ文献を集めていた文献バンクで、現在は 旧内容統合 とこのページへ再配置しています。
証拠の置き場所
| 証拠の種類 | 支えること | 支えないこと |
|---|---|---|
| コネクトミクス | 構造的制約、候補経路、局所回路の足場。 | 現在の機能状態や人格同一性の直接証明。 |
| 神経記録 | 活動パターン、状態推定、デコード性能。 | 内部状態の一意な復元。 |
| 摂動実験 | 因果関係、必要条件、競合仮説の分離。 | 全脳スケールでの十分性。 |
| 計算モデル | 候補機構、予測、実装可能性。 | 生物学的同一性の自動保証。 |
| 公開データと標準 | 再現性、比較、外部検証。 | 理論的な未解決問題の自動解決。 |
主要エビデンス
ここでは文献を日付順ではなく、どの主張の上限を変えるかで並べます。リンクは原典または DOI です。
| 証拠クラス | 代表例 | 強くなる主張 | まだ閉じないもの |
|---|---|---|---|
| 全脳または大規模コネクトーム | Dorkenwald et al. (2024)、MICrONS Consortium (2025) | 構造足場、局所回路、同一脳の構造機能対応。 | 現在のシナプス効率、放出状態、代謝、グリア、全状態の同時捕捉。 |
| コネクトーム制約モデル | Lappalainen et al. (2024)、Beiran and Litwin-Kumar (2025) | 構造が活動予測をどこまで改善するか。 | 構造だけで動力学が一意に決まったという主張。 |
| 可観測性と識別可能性 | Villaverde (2019)、Prinz et al. (2004)、Rasero et al. (2024) | 測れること、区別できること、一意に決まることを分ける必要性。 | 観測量が多ければ内部状態が自動的に一意になるという主張。 |
| 同一個体マルチモーダル測定 | Vafaii et al. (2024)、Chen et al. (2025) | 共通パターンとモダリティ固有パターンを同時に見られる。 | 複数モダリティを足せば一つの真の潜在状態に届くという主張。 |
| 状態継続と時間ドリフト | Gallego et al. (2020)、Karpowicz et al. (2025)、Wilson et al. (2025) | 潜在多様体やデコーダを、ドリフト下で安定化できる可能性。 | 安定した性能が、そのまま内部状態の同一性を保証するという主張。 |
| 破壊的構造測定の保存問題 | Lu et al. (2023) | 固定・保存・染色が超微細構造と細胞外空間に与える影響を監査する必要性。 | 固定後の高解像構造が生体内の現在状態をそのまま残すという主張。 |
| データ標準と再現性 | BIDS、NWB、OpenNeuro | 第三者が同じデータを検証できる条件。 | 標準形式で置いたことだけで、仮説分離や同一性が解けるという主張。 |
旧 Research Harvest から戻す優先ルート
削除前の Research Harvest は U0-U15 の文献バンクでした。現在の公開サイトでは、U 番号をそのまま復活させるのではなく、研究者が使いやすい P1-P8 と検証カードへ変換します。重要なのは「その文献が何を強くするか」と「まだ主張してはいけないこと」を同じ行で読むことです。旧ページ側の変換方針は 旧内容統合 にも置いています。
根拠を研究順序へ変換する作業ルール
「どの論文がすごいか」ではなく、「どの論文群なら次の研究を変えるか」で読みます。現時点では、観測を増やす前に、候補集合を減らす使い方へ寄せます。
| 読んだ証拠 | サイト内での位置づけ | 前進に必要な条件 |
|---|---|---|
| 高スコアのデコード | P6 と Neural Contribution Card で、神経寄与と事前分布を分けます。 | 脳なしベースライン、候補集合、タイミング、閉ループ、日跨ぎ安定性を別に示す。 |
| 大規模コネクトーム | P4 の構造足場として読み、P2/P5 の証拠とは扱いません。 | 活動記録、摂動、保存影響、状態継続、残差候補集合を合わせて出す。 |
| 同一個体マルチモーダル | P3 と Fusion Card で、共通因子と固有因子を分けます。 | 同一セッション、完全症例バイアス、血行動態/代謝ブリッジ、外部検証を明示する。 |
| 維持状態 proxy | P2 と 維持状態バジェットで、状態ファミリーを分けます。 | proxy が何を直接見て、何を見ていないか、時間窓と介入可能性を書く。 |
| 閉ループ BCI | P5 / P6 と Temporal Validity Card で、運用安定性を独立指標にします。 | 遅延、ジッター、再校正、回復負荷、安全停止、ユーザー状態を追跡する。 |
| 公開データ標準 | P7 と L0 Artifact Pack で、L0/L1 の土台にします。 | イベント意味、同期、QC、分割、保持データ、ベースライン、棄権を同梱する。 |
証拠パターン別の読み方
| 証拠パターン | 改善すること | 次に要求する監査 |
|---|---|---|
| 同一セッションのマルチモーダル束 | 可観測性と誤差検出。 | Fusion Card と Human Proxy Composition Card。 |
| 同一脳の順次パイプライン | 局所的な構造機能対応。 | State-Continuity Bridge Card と Destructive-Structure Route Card。 |
| コネクトーム制約予測 | 候補モデルの制約。 | 識別可能性カード、追加活動記録、摂動保持データ。 |
| 高スコアのデコード | 特定タスクでの予測性能。 | Neural Contribution Card、事前分布、閉ループ、日跨ぎ安定性の分離。 |
| 公開ベンチマーク | 比較と再現性。 | L0 Artifact Pack、データ分割、イベント意味、同期、QC、棄権規則。 |